口腔粘膜疾患

口腔粘膜疾患

口腔粘膜疾患とは、口唇、舌、歯肉、頬粘膜、硬軟口蓋、口底などにびらん、潰瘍、腫瘤、水疱などを呈する疾患群です。原因としては、先天異常・発育異常によるもの、物理的・化学的原因によるもの、細菌・ウイルス・真菌によるもの、アレルギーによるもの、全身疾患に付随して起こるもの、腫瘍性疾患などが挙げられますが、原因を特定することが困難な場合も少なくありません。
以下に代表的な口腔粘膜疾患を示します。

アフタ性口内炎

アフタとは口腔粘膜に発生する輪郭明瞭で紅暈(赤いふちどり)をもつ円形ないし楕円形の有痛性偽膜性潰瘍のことです。原因は不明ですが、全身疾患に伴うものもあります。放置しても10日位で自然に治癒します。

帯状疱疹

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの回帰感染により、口腔内では片側性の神経支配領域の粘膜に一致して水疱を形成します。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症は、口腔内の常在真菌であるカンジダの感染によって引き起こされる日和見感染の1つです。
頬粘膜、口唇、舌などに後発し、治療には抗真菌薬が用いられます。

口腔扁平苔癬

口腔扁平苔癬は、口腔粘膜の角化異常を伴う慢性炎症性疾患です。原因は特定されていませんが、口腔内金属が一因の場合もあります。難治性で慢性炎症が急性増悪する際に発赤・疼痛などが生じます。

白板症

白色の板状、斑状病変で摩擦によって除去することができません。癌化する可能性があるため前癌病変と考えられています。切除や厳重な経過観察が必要となります。

平滑舌

平滑舌は、舌の表面にある小さな突起である舌乳頭が萎縮し、舌の表面全体がツルツルになった状態です。
時に赤くなります。鉄分やビタミンB2の欠乏、唾液の分泌が減少することによる口の中の乾燥が原因となり、食べ物がしみたり、味覚の異常をきたしたりします。

口腔粘膜疾患はここにあげたもの以外にも数多く存在します。必要に応じ、血液検査、細菌検査、病理検査などを行います。治療は薬物療法などの対症療法となることが多く、時に全身的な治療が必要な場合もあります。その場合、皮膚科や内科などと連携して治療を行います。

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